建設アスベスト被害者の救済を求めています!
■アスベスト(石綿)は過去のものではありません!!
東京土建では、建設業に従事してきたことにより、アスベスト疾患にり患した被災者の救済を求めています。アスベストは「石綿」とも言い、過去に建築材料として夥しい量が使用されてきました。アスベストは現在、使用禁止となっていますが、既存の建物等にはすでに使われてきたアスベスト建材が残っています。国がアスベストに対する本格的な規制措置を講じたのは平成の後期になってからで、過去の建築物施工の際には、当たり前のようにアスベストが使用され、建設職人たちがアスベストを浴びてきました。
建材の中のアスベストは建物の通常使用においては、ほとんど粉塵になることはないと言われています。しかし、改修や解体工事の際に適切に処理を行わないとアスベストは粉塵となって飛散し、工事業者や施設の利用者、周辺住民の方々が吸い込むことで、数十年後にアスベスト特有の疾病(悪性胸膜中皮腫や肺がんなど)にり患する可能性があります。
このアスベスト特有の疾病はアスベストに暴露したのち、病気の種類にもよりますが30年前後の潜伏を経て発症します。建材としてのアスベストは70年代半ばと90年代初頭を2つのピークとして過去に大量に使用されてきました。その中で施工に携わってきた建設職人たちに今、次々とアスベスト特有の疾病が発症しているのです。私たちは、アスベストの危険性を認知しつつも規制をしてこなかった国と、建材として使用してきたメーカーに対して、建設アスベスト被災者救済のための運動を展開しています。
■東京土建の取り組み
- 職業病の労災認定
アスベスト特有の疾病にり患した建設職人について、被災者本人、組合、専門家の3人4脚でアスベストが原因と考えられる中皮腫、肺がん等の労災認定のための取り組みを行っています。 - アスベストの周知活動について
背景の画像はJR蒲田駅前でのサイレントデモの様子です。このように私たちは、アスベストについて正しい理解を広めるための取り組みを行っています。
前述のように、今でこそ新規でアスベストを使用することは禁止されていますが、すでに使われたアスベストは、解体改修工事の際に適切に処理しなければなりません。現状では、解体改修工事の前には、原則としてアスベストについて事前調査を行い、アスベストがある場合は適切に処理しなければならない義務が施工者に課されています。工事の発注を行う施主様にも、これらを踏まえて費用・工期などに理解をいただきたいと思っています。 - 建設アスベスト被災者の速やかな救済を求めて
これまでに建設業でアスベストを吸い込み、アスベスト特有の疾病にり患した職人たちの裁判による個別の救済の支援および、裁判によらない速やかな救済基金等の設立を求める取り組みを行っています。建設アスベスト訴訟の令和3年5月17日の最高裁判決で、国の責任が確定しました。これにより国による建設アスベスト被災者への補償基金制度が創設されました。しかし、過去に大量のアスベストを使用してきた建材メーカーの責任は確定しておらず、補償基金には未だ参加しておりません。また、既設建築物の中のアスベストがなくなったわけでもありません。このため私たちの取り組みはこれからも続きます。
このページをご覧になられた皆様においては、今日でも身近な解体・改修工事で適切に処理されていなければアスベストに暴露する可能性があることや、建設業をめぐるアスベストについてご理解をいただきたき、街中などで東京土建の署名活動に賛同していただきたいと思います。
大田区西蒲田6-17-4